意外と知らない洗髪の仕方、リンス、トリートメントの違い

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【洗髪と洗髪料のお話】

「予防と改善のための洗髪について」

たとえば、一回の洗髪で取り除かれた皮脂も、6~8時間で約8割は元の頭皮の皮脂量に戻り、24時間も経つと洗髪前の皮脂量に戻ってしまいますので、正しく洗髪すれば何回洗っても構わないということになります。

ただ、爪でガシガシとやるのはあまりよくありません。髪の毛にもよくないばかりか、かえって頭皮のトラブルをまねき、取り返しのつかないことになりかねません。

爪によって頭皮の角質層が、いったん傷つけられますと「角化=皮膚細胞が再生するサイクル(ケラチ二ゼーション)」に支障をきたします。その結果フケ、カユミなど皮膚トラブルの原因にもなります。

「シャンプー=マッサージ」ともいわれています。マッサージをする要領で頭皮を揉みほぐすように、指頭で頭皮を頭頂部にむかって揉み洗いされるのが理想です。

肩をもむ要領で、ちょうど頭頂部にシワをよせる感じですね。このような洗い方で、余分な皮脂の排出、頭頂部うっ血の解消とともに「髪の毛のお話」で申し上げましたような改善が期待できます。


また、あまり気にしておられない方が多いかも知れませんが、シャンプーをされるとき、一番重要な事が「しっかりとすすぐ」ということです。残留しているシャンプー剤があると、頭皮、皮膚トラブルの原因となります。

リンスも同様です。リンスは髪の毛にもみこむようにして塗布し、これも「しっかりとすすぐ」ということが重要です。ご自宅でシャンプーをされる場合は、しっかりすすいでいるようで、実は意外と残留していることが多いようです。

どうしてもうつむいてシャンプーをしますので、特に前頭部の髪の生え際に頭皮のトラブルが発生している方が多いように思います。リンス等は髪の毛には有益なものですが、基本的に頭皮(地肌)には有益ではないのです。

中には、頭皮のカユミ等を抑える成分の入っている製品もありますが「皮膚のお話」でも述べましたが、分子量の大きい栄養素などは、皮膚(頭皮)から吸収できるようにはなってないのです。

シャンプーで毛穴の皮脂を除去し、きれいになった毛穴に、またフタをすることになり、後で「皮膚細胞角化不全」を引き起こし、フケかゆみ、脱毛などのトラブルの原因になります。リンス、コンディショナー、トリートメントをされた場合もしっかりと、すすいでいくことが大事です。


でも、カユミのあるときは、どうしてもガシガシとやりたくなります。そのようなカユミのある状態のときにはすでに、皮膚(頭皮)表面が正常(健康)ではないということも考えられます。

間接的な原因はいくつかあげられますが、直接的には「皮膚(頭皮)の細胞が再生するサイクル(ケラチ二ゼーション)」のサイクルが乱れてしまった、ということが考えられます。

髪の毛が目に見えない状態でも、目に見えない小さな新生毛は出てきています。ゴシゴシこするシャンプー、マッサージでは新生毛が抜けるという検証結果もあります。また、サイドとバックの新生毛は、その影響を受けませんが、頭頂部の新生毛は次同じ場所から生えてくるのに4~5か月かかります。

ですので、カユミ、脱毛のあるときの対策の一つとして、まず「洗髪料(シャンプー剤)をかえてみる」ということも重要になってきます。

「リンス コンディショナー トリートメント」

大きく分けて「リンス」「コンディショナー」「トリートメント」の3つですが、これら3つの違いについてお話いたします。

どうでしょうか、みなさん、これらの3つの違いがわかりますか?おそらく違いが分からない方が多いのではないかと思いますが、簡単に分類すると、それぞれの分子の大きさの違いから、大きく分けて「リンス」「コンディショナー」と「トリートメント」の二つに分かれます。

「リンス」「コンディショナー」でも内部に浸透するものもありますが、メーカーによって定義がまちまちで、最近ではあまり境界がなくなってきたのが現状ですが、基本的に「リンス」「コンディショナー」は主に髪の毛の外部(表面)に作用し、「トリートメント」は内部に作用します。

ですから、シャンプーの後、先にリンスをして、次にトリートメントをするのは間違いです。トリートメントが先で、リンス、コンディショナーは後にするのが正解です。イメージとしては、分子の小さいトリートメントが主に髪の毛のキューティクルの隙間やダメージ部分(毛孔)から内部に浸透し、分子の大きいリンス、コンディショナーが髪の毛の表面に皮膜をつくり、フタをするという感じです。


トリートメントは主に内部に作用しますが、表面にも作用をします。つまり、リンスの役割も兼ねています。また、トリートメントは内部に作用するために、少し時間をおいてすすぐ方が効果があります。リンスは時間をおいてもあまり変わりません。

コンディショナーは主に「髪の毛のph(ペーハー)バランス」酸性とアルカリ性を整えるのに有効です。パーマ等をかけた直後はphバランスが不安定ですので、コンディショナーで整えます。またカラーリング、パーマ等をかけた髪の毛はダメージを受けていますので、パーマ、カラーリングの状態維持に必要な内部の間充物質が、毛髪表面のダメージ部分(毛孔)から流れ出ています。

ダメージがひどくなると髪の毛は、建物でいえば鉄骨の柱だけの状態で、内部はスカスカの状態になります。トリートメントはその毛孔等から内部に浸透し、一時的に間充物質の役割を果たし、表面にフタをします。したがってカラーリング、パーマ等が比較的長持ちします。


ただ、毛髪細胞内に存在する「リソソーム」という免疫細胞が、余分なもの、外部からの栄養素等は排出する働きをしますので、トリートメントの有効成分がず~っと内部に残っているわけではありません。最終的には細胞(核)内部のミトコンドリアが生成した栄養素しか、細毛髪胞内部に存在できないようになっています。

また現在、物理学の世界で、ミトコンドリアには「2.4Scm-9(マイナス9桁)」という微弱電流が流れていることが分かってきました。その微弱電流が、ミトコンドリアの活動エネルギーとなり、それと同じ性質の電子を与えてあげることによって、ミトコンドリアが活性化され、髪の毛に必要な栄養素をつくり出し、また髪の毛へと再生されていくことまでも解明されてきました。

「予防と改善のための洗髪料の選び方」

たかがシャンプー、されどシャンプーですが、意外と自分に合ってない洗髪料シャンプー剤を使用しておられる方も多いみたいです。また、あまり関心のない方もおられますが、ほぼ毎日使用するものですから選ぶのにはやはり自分に合うものを慎重に選びたいものです。

また、そのようなカウンセリングができるところで買うのが一番望ましく、効果のないものを毎日使うよりも「効果のあるものを毎日使う」方がよろしいのではないでしょうか。

髪の毛に付着している単なる汚れですと、お湯だけでも十分(70%)に落とせます。しかし、問題は実際に髪の毛が生えている「頭皮」なのです。頭皮の改善なくして健康な髪の毛の改善は望めません。

角化不全などで、フケ、カユミあるの場合、次の条件に添った洗髪料・シャンプー剤を使用することによって、皮膚(頭皮)表面が正常な状態に戻っていき、その時点でフケ、カユミなどはなくなってまいります。そして、健康な髪の毛に改善される「土台」ができあがるのです。

ですので、あくまでも一つの目安ですが、できるだけ以下の条件にあてはまる洗髪料を選ばれることをおすすめいたします。

1:弱酸性・微酸性

「正常な皮膚は弱酸性」でもお話させたいただきましたように「正常な皮膚表面は弱酸性ph4.5~ph6.5)」であることが大事ですので、洗髪料も皮膚と同じで「おだやかな弱酸性・微酸性」のものをお使いになられることがまず第一です。

2:ノンオイル・ノンポリマーコート

皮膚は「皮脂や汗の排泄器官」でありますので、油分などの残留がなく、新陳代謝が正常に営まれ皮膚の排泄(皮脂など)がスムーズであることが大切です。

「皮膚は排泄器官」でお話させていただきましたように基本的に異物(栄養素・化学物質などの添加物)を吸収するようにはできていません。よって、添加物が多く入っている洗髪料は皮膚(頭皮)の負担になります。

なるべく「表示指定成分」が無添加である、もしくは無添加に近い、皮膚の負担にならないものであるのが望ましいのです。また油分などの残留は「皮膚の排泄不良」につながりますので、皮脂や油分の汚れがスッキリ洗いあがる「ノンオイル・ノンポリマーコート」のものがお勧めです。


しかし、どちらにしても洗髪(シャンプー)の時はよく洗い流すことが大切になりますが、最近、特に市販されているシャンプーで、コート系ポリマー剤の入っているシャンプーの長期的な使用によって、髪の毛が正常に養われておられない方を多くお見受けいたします。

コート系ポリマー剤というものは、要するに「シリコン剤」のことです。例としてジメチコン(アクリルポリマー)、コポリマー、オリゴマー、ポリエキシエチレン、ポリアクリル酸アミド、キサンタンガムなどのシリコン剤が商品の成分表示に記載されていれば要注意です。

ポリマーコート剤の入っているシャンプーで洗髪すると、確かに髪の毛の触り心地はツルツルにはなりますが、頭皮に良くないだけでなく、長期的な使用をすることによって、髪の毛が本来持っている能力が十分に発揮できず、結果的に老若男女とも髪の毛はコシのない細い軟毛になっていき最終的に脱毛につながります。

結論的に申しますと、コート系ポリマー剤入りのシャンプーを使用しない方が、髪の毛が正常に養われ髪の毛はサラサラになります。ですから、そのようなシャンプーを取り扱い、知識と経験はもちろんのこと、しっかりとしたカウンセリングができるサロン等でご購入されるのが望ましいのではないでしょうか。

3:多糖類(アミノ酸系)

畑の野菜と同じように髪の毛もしっかりと発育する「土壌(頭皮)」を保つことが大切になります。多糖類はその土壌であります頭皮(角質層)を 「修復・保護」する作用があるといわれています。

その角質細胞は、約28日周期で新しく生まれ変わっています。ところが、細胞を包んでいる栄養源であります「間質液」のバランスが崩れると、細胞は仮死状態になってしまいます。

ですので、一日も早く角質層を整え、間質液のバランスを保つことが健康な肌(頭皮)を取り戻すために重要になってきます。この多糖類は角質層に浸透し、正常な角質層の代役をはたし、皮下では「細胞の持つ本来の力」が目覚めます。

つまり、角質層を修復してやることにより、健康な状態であれば、皮膚及び毛髪は自然に健康な状態になる、ということが言えます。

またアミノ酸系の洗髪料での洗髪後の多糖類パックのケアは、角質層を修復して毛母細胞を活性化(白髪に有効)させるために欠かせません。また「細胞がもっている本来の力を引き出す」ということは「美肌」にも効果があります。

以上、今後シャンプーを選ばれる際の、ご参考にしてくだされば幸いです。続いて「解決方法いろいろ」をご参照ください。